ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」を読破

積ん読

文学好き、メウビッシュです。
フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟 」を、8日間かけて読み終えた。

挫折する人も多い小説と聞く。
読み進めるコツなど、読もうか迷っている方への参考になればと思います。

カラマーゾフの兄弟 購入理由

文学好きであれば「カラマーゾフの兄弟」の評判は、世界文学の金字塔として耳にされることと思います。

  • 難解
  • 大長編小説
  • 未完作品

興味はあったけど、これらが購入のネックでした。

「長編読んで話が尻切れでおわるのはイヤだな」

カラマーゾフの兄弟は、二部構成で ( 第一部 1860年代半ば 第二部 1880年代 )、作者死亡により、第一部のみ完成。
第二部は読めないようです。

いちど購入を断念したものの、三島由紀夫「仮面の告白 ( 新潮社 ) 」4ページ目に、カラマーゾフの兄弟が引用 ( 第三篇の第三、熱烈なる心の懺悔——詩 ) されていること。

村上春樹さんの発言。
このふたつで火がつき、購入を決めました。

もし「これまでの人生で巡り会ったもっとも重要な本を三冊あげろ」と言われたら、考えるまでもなく答えは決まっている。この『グレート・ギャツビー』と、ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』と、レイモンド・チャンドラー『ロング・グッドバイ』である。

スコット・フィッツジェラルド「グレート・ギャツビー」村上春樹 訳
中央公論新社 333頁

原 卓也 訳 読みやすさ

ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」は、複数の出版社からでています。
どの出版社の訳を手にとるか、迷っている方もおられるでしょう。

  • 新潮社 原 卓也 訳
  • 光文社 亀山 郁夫 訳
  • 岩波書店 米川 正夫 訳

じっくり検討した結果、新潮社 原 卓也 訳を購入。

かたすぎず、やわらかすぎず、読みやすい。
訳注少なめで、ながれるように読める。
ただ、ドストエフスキーの思想・宗教上のテーマは、ややむずかしいです。

カラマーゾフの兄弟 (上) で挫折!?

ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟 原 卓也 訳 ( 新潮社 ) 」

購入した3冊の発行をみる。

  1. カラマーゾフの兄弟 (上)
    平成二十九年 三月二十五日 八十九 刷
  2. カラマーゾフの兄弟 (中)
    平成二十四年 十二月二十日 七十五 刷
  3. カラマーゾフの兄弟 (下)
    平成二十九年 十月二十五日 七十九 刷

上巻がもっとも多い「八十九 刷」となっている。
上巻で様子見、もしくは挫折している人が多いのか?

海外文学を読み進めるコツ

登場人物の名前・相関関係がおぼえられず、挫折した。
という話を聞きます。

  1. カタカナのながい名前
  2. おおぜいの人物

人物名や相関図は、むりにおぼえる必要はありません。
おぼえようとするから疲れ、嫌気もさします。
むずかしくする必要はありません。

複雑な名前・人間関係は、おぼえなくてよし。
コツとしては、字面を追う程度がちょうどいいです。
読んでもすぐ忘れる注釈は、読みとばしましょう。
ながれをさえぎらないことが大事です。
おもしろさが半減しないか案じる必要はありません。
重要な人物やエピソードは、自然と目立ってきます。

これは M.J.アドラー C.V.ドーレン「本を読む本」で学んだことです。
この方法で、海外文学を読むのがラクになりました。
力をぬくことも技術のひとつです。

難攻不落 カラマーゾフの兄弟を読破

中巻まで読み進めた。
あまりのつまらなさに、ショックを受ける。
つまらないまま最後までいってしまうのではないかと、不安になってきた。
お金と時間が脳裏をよぎる。

「もう少し読めば、おもしろくなるだろう」

期待を胸に、大長編を中巻まで読み進めてきた。
しかし何が名作で傑作なのか、さっぱりわからない。

「こりゃダメだ」

と思った矢先の中巻後半、脂が乗りはじめる。
具体的には「第九編 予審 三 魂の苦難の遍歴——第一の苦難 481頁」から。
容疑者の反証も筋が通っているように聞こえる。
誰が犯人なのか、まだハッキリしない。

濡れ衣だろうか?

エピローグ 三 イリューシェチカの葬式。石のそばでの演説

下巻のゴールがみえてきた。
この巨編も、ついにおわりか。

僕は君たちのだれ一人として忘れないことを約束します。今僕を見つめている一人ひとりの顔を、僕はたとえ三十年後にでも思いだすでしょう。

ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟 (下)」原 卓也 訳
新潮社 654~655頁

アリョーシャの演説に胸を打たれつつ、下巻を読み終える。
第一部のみで、上中下巻 1940ページ。
ドストエフスキー、おそロシア。

まとめ

ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」は、手ごわい小説だった。

再読するには、おもしろみに欠ける。
この内容で1940ページ読むのはキツい。
作者が神の視点として結末を先走るきらいがあるのは、いかがなものか。
ネタバレ感があり、なえる。

人間模様は読みごたえあった。

第二部の想像をたのしむ。
未完であることが味になる。
読み終えてわかった発見であります。

読んでみる価値は、あったと思う。
カラマーゾフの兄弟を読破できたことは、収穫になった。

公開日:2018/05/20
更新日:2018/05/29